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「ラジオ技術」2007年10月号の●私のリスニングルーム●に抜粋を掲載
棚の上にメインアンプが並んでいる。両サイドのSPはFujitsu Tenの目玉
今の半導体既成アンプシステム。右の6C33C OTLはお休み

昔の真空管OTLによるマルチアンプシステム

| 居間のシステム | ![]() |
| 書斎のシステム | ![]() |
▲最近の自作はIC式
真空管アンプを作った最後は、1998年の6C33C-OTLが最後になる。
真空管にこだわっていたのは、昔は真空管しかなかったし、時代と共に半導体化していったが、小生の電子回路的能力のなさとオーディオに裂く時間の少なさとで、乗り遅れたに過ぎない。
現用のシステムの中で真空管式で残っているのは、フォノEQとSTAXのイヤスピーカー用のアンプのみである。
フォノEQが残っている理由は、不自由ないの1点に尽きる。
しかし最近は出番がなく、時々LPのCD化のダビングに使うぐらいで、じっくり鑑賞する機会がない。
STAXのイヤスピーカーは要求最大出力電圧が280V(RMS)なので、真空管向きで残っている。
既製品は有るが、購入は高価であるので自作した。
やっと定年を迎えて、自由時間が出来、昔の自作癖が頭をもたげたが、時代はすっかり半導体化していた。
今まで使っていた真空管式アンプ類は、熱は出るし、電力は食うし、それにいつもどこか接触不良的ノイズに悩まされていた。
多分に真空管の足の接触不良で、接点復活材を吹き付けては差し替え、それでもダメな場合は真空管を交換した。
メインアンプはOTL主体であるために、動作点が微妙に移動し、正月の休みは調整が年中行事で家人の不評を買っていた。
そこで、まず大飯食いの真空管式OTLを処分し、半導体既製品の中古をオークションで求め交換した。
コントロールアンプは、真空管式からオペアンプ(5534,5532型)を使ったIC式に変更、ノイズから解放されすこぶる快適である。
書斎のメインアンプも、National
Semiconductor 社 LM-3886 使用で、満足している。
▲ 真空管式OTL
メインアンプについては小生、元々大型出力トランス付きのプッシュプルに憧れていた。
昭和35年当時、田舎から大学生活に上京したとき、従兄弟の家の装置が、6V6ウイリアムンのモノアンプであった。
スピーカーはナショナルの10PW1がコーナー型バスレフの箱に入っていて、豊かな低音を響かせ、サランネットをすかして、コーン紙が大きく揺れるのが見え、素晴らしいと憧れ、いつかは自分もこのようなアンプを作りたいと思った。
しかし、貧乏学生に取っては、大型出力トランス付きアンプは高値の花で手が届かず、以下に安く良い音を出すかに腐心していた。
そのころ件の従兄弟の友人にオーディオマニアが居て音を聴きに行ったところ、彼の装置が、真空管式OTLのマルチチャンネルシステムであった。スピーカーは、12l-1、8L-1、H-1でコーラルで統一されていた。
その音は、空気感のある肌を振るわせる様な直接音の低音と明るい中音に、さわやかな高音がのった美しい響きであった。
また、当時は音楽喫茶なるモノが、多くあり、一杯のコーヒーで長居をし講義の予習のようなことをしていた。
お茶の水に「ウィーン」だったか、吹き抜けのある立派な音楽喫茶があり、そこの装置が、オール真空管式OTLのマルチチャンネルであった。スピーカーもメーカーがハイインピーダンス型と称して、200Ω、400Ωのユニットを販売していたのは立派である。
アマチュアを大切にしていたのか、商売が成り立ったのか。
小生は、貧乏であるから、真空管はテレビの偏向出力用の複合管の6DE7を使い、スピーカーは三菱のロクハンの600Ωマッチッングトランス付きで始めた。
参考書としてラジオ技術全書「OTLアンプの設計と製作」と「パワーアンプの設計と製作(上)(下)」武末数馬著はバイブル的存在であった。
その後、真空管は、6R-A2、6080、6082、6336と進んで6C33Cで打ち止まっている。
使用スピーカーは、貧乏学生を卒業しサラリーマンになり、少しのゆとりが出来た頃には、もはやハイインピーダンスのスピーカーは市販にはなく、16Ωも少なく世はなべて8Ω時代になり、真空管式OTL党にとっては住みにくい世の中になって行く。
真空管式OTLを作るようになって、6336は憧れの的で価格も高値の花であった。代わりにその半分規格の6080,6082を並列に並べて楽しんだが、6336あのグラファイトのプレートには、いかにも音が良さそうな雰囲気があった。
秋葉原の真空管の店を眺めていたときに、6336の中古が手頃な値段で出ていて、真空管の中古は気が進まなかったが、試しに求めた。
早速アンプを組み立てて火入れ。初めは正常だったが、ふと気がつくとグラファイトのプレートが真っ赤に加熱して居るではないか。
慌ててSWをOFFにした。
後で文献を調べてみたら、6336熱暴走が特徴とのことで、カソードまたはプレートに直列に抵抗を挿入する必要があることを知った。
それ以来、プレート電流監視を兼用して10Ωを直列に挿入している。
且つ、深めのバイアス電圧でノッチング歪み発生のぎりぎりまでプレート電流を押さえることした。
従ってアンプの前面にプレート電流監視用のテストポイントを設置し、調整が年1回の正月の行事になってしまった。
6336の場合はは、プレート電流は1本当たり50mAとしている。
最後に作った6C33C OTLはシャーシ前面に電流計とバイアス調整用VRを設置し、シャーシーを裏返すことなく調整を容易にした。
肝心の音であるが、重心の低い馬力のある音が魅力的である。
真空管式OTLの低域の馬力は、スピーカーのf0付近のインピーダンスの盛り上がり特性に起因していると思う。
一番苦しいところでインピーダンスが上がってくれるので、アンプにとっては出力負荷が最適値に近づくので、定格出力の割には馬力があり、出力の不足感はない。
今、メインは、JBLである。帯域の上から、077、LE-85+HL-92、LE-5、LE-14Aの4Wayである。
クロスオーバーは、077がfc=8KHz -12dB/octの市販のネットワークでアッテネーターはなく8Ωの抵抗でシャントし、LE-85+HL-92がfc=3KHz -6dB/octで上は出しっぱなしで、両者のバランスを取っている。
LE-85+HL-92とLE-5との分割は自作LC型ネットワークでfc=3KHz -6dB/oct、LE-85側をL(4.7mmH,0.5Ω)でシャントしている。
このシャントの発想は、真空管式OTLでLE-85をダイレクトでドライブしていた頃、どうも音が荒れる感じがしてうまく繋がらない。
しかも中点のドリフトも心配なので、このチャンルだけ801Aシングルアンプを作製しドライブしたら静かになった。
その原因を憶測すると出力トランスのシャントに有るのではなかろうかと。
OTLの場合は、出力インピーダンスはNFBにより下がってはいるものの、回路的には浮いている状態である。
挿入するシャントコイルは、カットオフ周波数は1桁下の値とし、直流抵抗の小さいものを市販で求めた。
今、メインは、JBLである。帯域の上から、077、LE-85+HL-92、LE-5、LE-14Aの4Wayである。
クロスオーバーは、077がfc=8KHz -12dB/octの市販のネットワークでアッテネーターはなく8Ωの抵抗でシャントし、LE-85+HL-92がfc=3KHz
?6dB/octで上は出しっぱなしで、両者のバランスを取っている。
LE-85+HL-92とLE-5との分割は自作LC型ネットワークでfc=3KHz -6dB/oct、LE-85側をL(4.7mmH,0.5Ω)でシャントしている。
このシャントの発想は、真空管式OTLでLE-85をダイレクトでドライブしていた頃、どうも音が荒れる感じがしてうまく繋がらない。
しかも中点のドリフトも心配なので、このチャンルだけ801Aシングルアンプを作製しドライブしたら静かになった。その原因を憶測すると出力トランスのシャントに有るのではなかろうかと。
OTLの場合は、出力インピーダンスはNFBにより下がってはいるものの、回路的には浮いている状態である。
挿入するシャントコイルは、カットオフ周波数は1桁下の値とし、直流抵抗の小さいものを市販で求めた。
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| 自作ネットワーク fc=3kHz -3dB/oct |
LE-5、LE-14Aとはバイアンプでドライブ、クロスオーバーはCRのパッシブチャンネルデバイダーでfc=300Hz
-6dB/oct Zp=600Ωである。
バイアンプにした理由は、fc=300Hzのクロスオーバーのネットワークとアッテネーターの作製は考えてみただけで大がかりになり、アンプ1台以上の費用もかかりそうなので。
実はこのシステムは、LBL4343のまねごとで、部屋の寸法上の制限で、ウーファーが14インチのLE-14Aになっている。
マンション住まいで、リスニングルームはなく居間であるから、1面にピアノとTVをセットし残りがスピ−カー設置寸法(幅455mm)になる逆算である。
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| 現在のマンションの間取り |
本当は、ALTEC-LANSINGのA-7がほしかった。
昔、日本オーディオ協会の事務所が西銀座にあり、時々お邪魔していたが、そこにALTEC-LANSINGのA-7が音を出していた。
劇場用にも拘わらず、そこから出てくる弦楽四重奏の音は静かで空間に漂うような良い音であった。
かの故池田圭氏も来ておられ、氏のオーディオについてのお話を直接聞くことが出来たのは、今にして思えば貴重で幸せなことであった。
▲さて、社宅のアパートを出て、男一代の仕事の1つのマイホーム建設の機会が到来し、ALTEC-LANSINGのA-7の導入をもくろんだが、建築家との論争で「金魚鉢で鯉を飼うようなものだ」と一蹴された。
建築家曰く「見えるものは信ずるが、見えないものは(音)は信じない」とのこと。
その代わり天井の高い空間と遮音に留意したサッシとガラス、作りつけのエンクロージャー、地面からコンクリート直打ちのプレーヤー置き台は協力してくれた。
その時のスピ−カーのラインアップは、H-1(YL SH-18)、JBL LE-85+HL-92、8L-1、12L-1をビルトインした。
この時もせめてスコーカーだけでもALTEC-LANSINGの802D+811Bを入れたかったが、間取り寸法の制限で811Bの横幅が収まらず、JBL
LE-85+HL-92になってしまい、「いつかはA-7」の夢は叶えられなかった。
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| 戸建てのマイホームの壁にレイアウトした、スピーカー群 A-7を諦めた | 土台のコンクリートに煉瓦で化粧 プレーヤのS/N比向上 |
このJBL LE-85+HL-92を決定する契機になったのが、JBL4343である。
巷のオーディオ紙は、JBLはジャズ向きとの評判であったが、お店で聴いたオペラの音は、声楽が良くオケの弦も違和感なくリヤルに鳴っていたので良しとした。JBL
LE-85+HL-92はサイズがコンパクトで下は800Hzから使えるのが魅力である。
しかし、我が家に入れて鳴らしてみるとどうも繋がりが悪い。
コーラルの重い寝ぼけた音とJBLの前にバリバリと明るく出てくる音とはどうもうち溶けない。
その頃ラジオ技術の特集号で日立のHS-400を取り上げ詳しく測定していたが、そのトランジェントの良さに感服し、しかもコーン紙が金属であることに魅力を覚え、日立L-205をユニットで購入し、8L-1と入れ替えた。
しかし変化は余り無かったように思う。
スーピーカーのドライブ系統はメインアンプは、真空管式OTL、チャンネルディバイダーはもちろん真空管式の-12dB/octの4チャンネルであった。一応のやるべきことをやり、仕事も多忙でオーディオに裂く時間が少なくなり、不満ながらも妥協して音楽は楽しんでいた。
さて時は流れ子育てが終わり、家人の希望もあって住まいを変えることとした。
場所と予算と物件との関係で、マンション暮らしを選択したが、結果が冒頭のスーピーカーシステムはここでも建築制限を受けることになる。
そのそも、音の再生は、原音の再生であるべきである。
故高城重躬氏はオールホーンのマルウェイ再生で、音源をスズムシや、雷、音楽はご自分で演奏されるスタインウェイのグランドピアノを部屋に置かれ、その音を録音再生で現位置での原音再生に挑戦されていたことを、著作で拝見した。
氏の飽くなき探求心とその実践には恐れ入り、我もその道を歩まんと心がけてはいたものの、我が装置の現実は隔世の感がある。
人間の聴覚限界の20Hz〜20KHzを原音に忠実に再生しようと試みれば、帯域を分割してそれぞれのユニットで再生し、音場空間で合成し人間の耳に届かせるマルチウェイの発想はごく自然でそれなりの合理性はある。
貧乏人の小生は、それなりに安くて良いユニットを求め、組み合わせて楽しんできた。
トィーターは、ナショナルの5HH17、コーラルのH-1、YLのSH-18あるいは、品川無線のコンデンサー型など。
スコーカーは三菱のロクハンに始まり、ジョーダンワッツ、コーラルの6M-1、8L-1、日立L-205など。ウーファーはお金がなく12L-1のみであった。
「良いユニットの組み合わせは良い。」の命題は、どうも正しくないようだ。なぜなら、完全な良いユニットがないからであろう。そこには、振動体の分割振動と固有値(共振周波数)が存在する。
可聴帯域をいくら分割しても、現行のユニットでは受け持ち帯域で振動体の分割振動は避けられないからである。
ピストンモーションのみでの再生は、例えホーン型と言えども不可能と、何かで読んだ。
とすれば、ユニット固有の個性のある音となることは避けられない。
その結果、同一メーカーの同一系統同一世代での統一が必然となる。
今までやってきた、安くて良いものの、良いとこ取りの寄せ集めでは、所詮音も寄せ集めで主張のないまとまりのなり、聴いてて疲れる結果となるのではないだろうか。
そこで、今回マンションの引っ越しを機に、再組み合わせしたスピーカーユニットの組み合わせは、JBL4343をまねはしたが、077,LE-85,LE-5,LE-14AとJBLのコンシュマータイプで統一した。しかし、ホーン型とコーン型の混在には不満が残るが、JBLにコーン型の適当なユニットがないので妥協である。
音はどうかというと、ミッドローをLE-5に変えて聞きやすくなった。
それまでは、日立L-205、JBL2118と変遷し、クロスオーバーも300Hz,150Hzと変遷、今は300Hz,-6dB/octに落ち着いている。
所詮、帯域を分割して帯域での応答の正しさ、帯域間の出力の均一を図ったとしても分割振動と固有値が出るならば、結局、単発全域スピーカユニットとマルチウェイとでは、忠実度の不足という点では大同小異と言うことになる。
昔から名器が多いのは頷ける。
小生も三菱ロクハンをスタートにひたすらマルチの道を歩んで来たが、最近行き場を失って、単発全域スピーカユニットを求めて楽しんでいる。Fujitsu TENのELIPSEは卵型のエンクロージャーが素晴らしく、音も声楽とピアノが良い出色もので疲れない音である。
昔のALTEC LANSING(今はElectro Voice)の405-8Hも素晴らしく、ベットの枕元に置いてニヤフィールド毎晩聴いているが、小音量では実にリアルで嫌みがまるでない。
ジョーダンワッツの四角形のユニットは、豊かな低音と癖のない中音は、これも捨てがたい。
LOWTERの45Aが秋葉原の店頭で現品限りの格安で売っていたので衝動買いしてしまったが、このスピーカーは難しい。
個性豊かすぎてビックリするくらいのビビッドな音を出す。エンクロージャーに依るのだろうが、簡単にあり合わせのマルチホールタイプの小さな箱に入れてあるが使いこなせないでいる。
最近のラジオ技術のRGAA発表会でも単発全域スピーカユニットとエンクロージャーの発表が盛んで、この分野は物量と金まかせの腕力ではなく、創意工夫があっておもしろい。それにしても市販のユニットが少なくなってしまったのが寂しい。
一つの流れとして平板駆動スーピーカーには興味津々、今後の発展を期待する。
▲ STAXのイヤスピーカー
STAXでは、ヘッドホンをイヤスピーカーと呼ぶ。正にその通りでヘッドホンスタイルのコンデンサー式スピーカーである。
耳への圧迫さえ無ければ完璧と言って良い。振動板がプッシュプル式でDCのバイアス電圧と、最大出力電圧をプシュプルで280Vrmsを要求している。
出力感度は100dB/100Vrmsであるから最大音圧110dBSLPに相当し大音量である。
小生はイヤスピーカーが出始めの頃,雑司ヶ谷のSTAXのお宅を訪問し、すっかりSTAXファンになってしまいSR-1を求めた。
ドライブするアンプは当然自作であるが、その頃は取り扱い説明書の中に自作用回路例が記載されていた。
小生はドライブ段に6DJ8を使用し、ファイナルは5687のプッシュプル、位相反転は初段の入力トランスで行い、全段PPとしてある。そのSR-1も経年変化でイヤパットはぼろぼろに、コードも接触不良気味になったので、最新のSR-404を求めた。
イヤパッドは楕円形になっており耳たぶをすっかり覆う大型の形に変わり、バイアスは580VDCに上がっていた。
昔の音とは比較は出来ないが、さわやかな臨場感のある音は、レファレンスとして最高である。
最近ヘッドホンも高級化し高価な製品が出回っているが、STAXのイヤスピーカーに勝るものは無いと思っている。
▲ 低音スピーカーのMFB化
ウーファーから出る胴間声はいかにも低音が出ていますよと言う押しつけがましい低音で、特に男性のアナウサーの声は、消してそんな声ではない筈なのに重々しい大きな音像となって現れる。
しゃべり声の基本周波数成分は200Hz前後であるからウーファーから出ることになる。
このウーファーから出る胴間声を止めたい要求は前々からあった。
諸先輩がMFBに取り組んでおられ、奮戦記をラジオ技術誌上でも拝読した。
その昔には、小生も三菱のロクハンを潰して磁気回路をはがき紙のボビンで結合して、MFBを試みたが、効果は著しく低音が軽やかになったことを覚えている。反面ある入力点を過ぎると急に音が割れ、許容入力が小さくなった。
最近オンゾウラボのMFB-20Uを使用したサブウーファーシステムを作製し、さすがにメーカー品の検出コイルは出来が素晴らしく出力電圧も大きく、肝心の音響特性も、検出コイルの付加で阻害されていない好結果を得た。
しかし、検出コイルを一般スピーカーに付加する作製は、工作技量のお粗末な小生には自信がない。
そこで注目がブリッジ式MFBである。オンゾウラボのMFB-20UのMFBシステムで、ブリッジ式の利きが200Hzくらいまでなら、検出コイル式と同等の効果があることがを確かめた。
今後は、アダプターを単独で作製し、JBL LE-14Aを制御してみたい。
ターンテーブルは、パイオニアのPL-41だったかのタンーンテーブルと軸受けだけを、部品として購入、フォノモーターは秋葉原のジャンク屋で、東通工の銘板入りのコンデンサ進相シンクロナスモーターを購入した。回転数は33
1/3に合わせるべくモーター側プリーを街の金属工作屋に作ってもらった。
ドライブは木綿糸の糸ドライブである。箱は、厚手が良いとの理屈で、厚さ20mmの檜の単板で同厚の蓋付き、モーターボードは20mmラワンを4〜5枚積層し、箱内部に落とし込んだ。
アーム取り付けは20mm鉄板に亜鉛メッキした台座を、これも街の金属工作屋に作ってもらい、ボードの積層1枚分落とし込んで取り付けた。
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| 初代のプレ−ヤー 奥にモオタを吊り下げ糸でパイオニアのPL-41のターンテーブルをドライブ |
30年を経過すると、プーリの摩耗か回転数が落ちてきた。
モーターの回転数は一定であるからどうしようもないので、これを機会にフォノモーターを交換を決意、オークションでVictor
TT-71で求めた。
ピックアップは、ナショナルのWM-28に始まり、ステレオが出始めてデンオンのMC型のPUC-7Dを求め。アームを模型屋のバルサ木材でオイルダンプのないワンポイントサポートのフラフラ型を自作したが、結果は見事に失敗、フォルテでスタイラスが溝から飛び出すほど、ビビルのである。後で市販品を観察すると、アームは途中で切断され、ゴム系のダンプ材でカップリングされている。あるいは、グレースや東京サウンドの様な金属製のごついアームは、受け座がオイルでしっかりダンプされている。自作を諦めアームはグレースのG-440、カートリッジは同じグレースのF-5Dを求めた。
しかしカートリッジに付いては、MC型の味が忘れられず、デンオンのDL-103系統を求め、今は、オルトフォンのMC-30をSTAXのアームに取り付けて楽しんでいる。トレース力は抜群でやっとビビリから解放された感がある。
自作で失敗したワンポイントサポート型も捨てきれず、市販のオーディオクラフトAC-300に、デンオンのDL-102とオルトフォンのMONOを取り付け使い分けている。
真空管式のスタートであるから、マキントッシュC-22型、マランツ7型のイミテーションを組み立て比較使用していたが、どちらがどうという差は無かったように記憶している。
デンオンのDL-103を使うようになって、出力電圧の大きい(と言っても0.3mmV)ことを利用しダイレクト入力で使っていたが、さすがにS/N比が悪く、ヘッドアンプを自作した。
ヘッドアンプは、ここはトランジスタの出番でベース接地のミッター入力あるいは、FETのソース接地ゲート入力の1石を作製したが、S/Nは向上したものの肝心の音がどうも感激がない。悩んでいる頃、秋葉原のお店の人にMC用ステップアップトランスの使用を薦められ、OTL派には抵抗があったが、FRリサーチのFRT-3を求めた。結果は素晴らしく、静かな中から豊かな音楽が拾い出されてくる。
この作用は、単なる電圧増幅の作用以外に何かあるのではないだろうか。
思想的には、シンプルイズベストで出来るだけ不要なものは入れない主義であるが、MC用ステップアップトランスは別の様だ。
真空管式イコライザ回路も、NF型CR型の論争が誌上を賑わせ、どなたかのイミテーションでSRPP 2段のCR型を作製した。NFBが無いと内部ノイズがもろに出力に現れ、素材の吟味が求められる。電源は別電源としリケージフラックスから逃れ、使用真空管はテレフンケンのECC803S、ECC801Sに止めを指し、一般の12AX7、12AT7ではサーのイズが多く使い物にならない。抵抗はワット数に余裕の有る大型を使い、カップリングコンデンサーは、STXLとして、静かにノイズを気にせず音楽を楽しむ環境が整った。
MC用入力トランスは、オルトフォンのMC-30の導入を機に、同じオルトフォンのT-10 MarkUとし、精神的安定を得ているし音に不満はない。
モノ用のデンオンのDL-102は、負荷抵抗に同一のデンオンのDL-102でシャントし、入力トランスは、TAMURA TK-20(600Ω:10KΩ)である。
負荷抵抗のDL-102でシャントは、どなたかのまねごとで、針交換で古くなったものを流用している。
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| 負荷抵抗のDL-102でシャント | |
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| IC式コントロールアンプ オペアンプ(5534.5532型)を使用、アッテネーター(600Ω)は自作 |
最近、真空管式からオペアンプを使ったIC型に切り替えた。
メンテの面倒と真空管から出る不規則ノイズから逃れるためである。
基本的には、スイッチボックスとアッテネータでICの存在はインピーダンス変換で、利得=1のリバース接続。
オペアンプは、出力インピーダンスの低いものを選択、最終段はデュアルパッケージ(NJM5532DD)のパラ接続で出力インピーダンスを600Ωとした。
アッテネータは、ラ技の販売するセイデンのロタリースイッチを使用、600Ωを自作、抵抗は、酸化皮膜とカーボンの混成。
操作感触は至って快適である。出力にトランス(TK-10
600Ω:600Ω)を付けた。
性能のよすぎるIC対応のバンドパスフィルターのつもり。
トランスなしのスルー端子も取り付けてあるので選択出来る。
電源も小容量なので、あり合わせの小型トランスを組み込んでしまったが、今のところSN比は問題なし。
オペアンプを通さないダイレクト(スルー)の出力端子もあり、家人のサブシステム系に出力し、無故障とした。
VUアンプ(+10dB)を設置し、VUメーターで入力音源の確認をやりやすくてある。
現在パソコンと書斎のオーディオのコントロールアンプはUSBオーディオ(YAMAHA UW-500)を経由してUSBで繋がっている。
スペックは20bit サンプリング周波数48kHz ステレオである。
CD-DAのフォーマット16bit サンプリング周波数44.1kHz ステレオをクリヤーしている。
オーデイオ面のパソコンの利用は、
@ 各種オーデイオメディアの録音、ダビング、保存:LP,オープンリールテープ、カセットテープ、MD、CD、レコーダー(ローランドR-1)など、数々の音源を一元管理出来る。
A 音の加工:音の切り張りとレベル調整、フェードイン、フェードアウトの効果。フォーマット変換(mp3⇔Windows PCMなど)
B 計測とオーディオソフトを使っての各種分析:「ウェーブアナライザ32」「My speaker」「Wave Spectra」などの利用で、今まで手のでなかったFFT解析、インパルス解析、トーンバースト解析、や周波数特性など、いとも簡単に出来てしまう。
C 映像の編集とDVD作製:パソコンの進歩の早さはすごいの一語。小生の自作パソコンは、CPU:Core2 Duo(2.1GHz)、メモリ:2GB、ハードディスク:450GBであるが、4.7GBのDVD1枚の編集、作成、焼き付けが時間的ストレス無く可能になった。
▲今後やりたいこと
住まいの制限が有り、今後もはや拡張改善は望まれない年齢になってしまった。
諸先輩が頑張っておられるのに、だらしない。
@ ブリッジ式MFBを一般アンプ+一般スピーカーに適用し、加工なしにMFBの効果を確かめたい。
A 喜山氏の平板スピーカーに触発され、市販の平板スピーカーを物色し、ニヤフィールドで全域で聴いてみたい。
幸い小型が多いようなので、老人向きかもしれない。