オンゾーラボ"MFB-20Uを使用した、ブリッジ式MFBの実験

オンゾーラボ"MFB-20Uは、千竃式検出コイル付きMFBスピーカーユニットであるから、何もブリッジ式でMFBをかける必要はない
しかし、一般のスピカーに改造なしでMFBをかけたい願望は常にあった。
ウーファーから出る男声のボンつく音は、一頃のハイファイを思わせるが、今はいただけない。
そこで、
オンゾーラボ"MFB-20Uを利用して、ブリッジ式MFBの効き目を検出コイルで監視しようと実験を試みた。

検出コイル式MFBの結果は「ラジオ技術 2007年3月号 P.50」に掲載してあるので、参照してください。

■駆動アンプ

パワーアンプはICを使った簡単なものである(図ー1)

MFBアダプター部もアナログICを使って組んだ。(図ー2)

■LP フィルタ特性とLOW-BOOST特性
測定は、White NoiseをCDから入力し、FFTでパソコンに表示、図化した。
LPF フィルタ特性、LOW-BOOST特性、フィルタ+LOW-BOOST特性を表す。

LP Filter Low Booster 周波数特性
OFF OFF
OFF ON
ON OFF
ON ON

■ブリッジ式MFBの効果
MFB量は、MFB入力ボリュームで調節するが、最大位置で結果的に9.5dBであった。
ブリッジの検出電圧の最大値は、Vc入力2V(100Hz)に対して、30mVでMFBコイルの1Vに比して小さい。
@各種周波数特性
以下、MFB OFFの周波数特性、MFB ONの周波数特性、ブリッジ電圧出力端(TP)の周波数特性、MFB検出コイルの周波数特性を表す。
MFB 測定箇所 周波数特性
OFF スピーカー
出力/MIC
case18
ON
9.5dB
Mスピーカー
出力/MIC
case14
ON
9.5dB
ブリッジ端出力 case10
ON
9.5dB
ブリッジ(左)/
MFBコイル(右)
の比較
低周波領域
ON
9.5dB
MFB コイル case11

Aトーンバースト特性(50Hz〜200Hz)
トーンバースト波をパソコンで作成し、CD-Rに書き出し、CD-Rプレーヤーから入力した。
測定箇所からの出力をパソコンに録音、「Adobe Audition」で波形拡大、「Adobe Photoshop」で切り張りしたものが下図である。
MFB 測定箇所 入力波(100Hz) 50Hz 63Hz 80Hz 100Hz 160Hz 200Hz
MFB OFF MIC OFF スピ−カー出力 case17
MFB ON MIC ON スピ−カー出力 case15
MFB ON OUT ON アンプ出力端 case16_1
MFB OFF OUT OFF アンプ出力端 case19
MFB ON TP ON ブリッジ出力端 case12
MFB ON MFBcoil ON MFB検出コイル case13_1

トーンバースト特性(315Hz〜2000Hz)はこちら

■ブリッジ方式の効果の考察
@スピーカーを含めた総合特性
・周波数特性からは、f0付近の盛り上がりが制御されており、効果が認められる。
・トーンバースト波形からは、効果が明かである。
・200Hz付近までは効果がありそう。ブリッジ端出力の出力特性が、MFB検出コイルの出力特性に近似している。
Aブリッジ回路の検出特性
・MFB検出コイルのそれと比較して200Hzまでは使える。
・ブリッジ回路のトーンバースト波形に160Hzから高調波が見受けられる
・ブリッジ回路の検出電圧は小さく、MFB量9.5dBが最大であった。もっとMFB量を増やすには、作動アンプの利得増大が必要。
・このとき、MFB検出コイル波形は、なめらかな波形で、スピーカー出力(MIC出力)と類似している。
Bメインアンプの出力特性
・スピカー負荷でメインアンプの出力端に、トーンバースト出力波形に乱れが見られる。この現象は、MFBをON/OFFともに現れる。
・スピーカー出力(MIC出力)、MFBコイルの出力波形には乱れが見られないのはなぜか。
・単一波形はきれいなサイン波であることは、確認済み。

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