生理解剖(頸椎症性脊髄症)

頸椎の構造を示す。
奥に頭部手前に胸部である。角が棘突起であり、この模型では、手前から第5番頸椎奥に4〜1番を示している。
棘突起を含む空間を形成する骨を椎弓という。頸椎は1〜7番まで7個の頸椎で構成されている。
上段に通っている楕円形が脊髄で神経の束。枝分かれしているものは神経根である。頸髄症は、この椎弓で構成される通り路(脊柱管)が狭くなり脊髄を圧迫している状態である。
頸椎の解剖模型(東京女子医科大学整形外科提供)

人の体は、脳に中枢があって情報の伝達は神経によっている。
その神経の各臓器の通路はすべて、背骨の中を通って各部の臓器や筋肉に接続されている。
頸椎症性脊髄症(頸髄症)は、背骨の首の部分(頸椎)で通り道が狭くなり、神経の束(脊髄)を圧迫し正常な情報の伝達を阻害し、体に不具合が生じている症状である。

阻害されると、脳の信号が各部の臓器や筋肉に伝達されないし、末端からの情報も脳に伝達されないという情報不足が生じる。

そのことが、手足のしびれや痛み、手足の機能傷害(歩きにくい、手に力が入りにくい)あるいは排尿障害といった不具合となって顕在化してくる。

では、狭くなる原因は何であろうか。医学的に細かいことを省けば、老化、劣化に尽きるらしい。
ではなぜ僕だけが?。それは、個人差と家系であろう。家人は「お父さんは姿勢が悪いから自業自得よ」と手厳しい。

この症状が出て以来、友人や同僚(63歳以上の男子)に手術決行の話をしたら、「俺も、俺もしびれはあるよ。」と何と多いことか。

「しびれぐらいだれでもあるさ、こんなものだとあきらめて生活してるよ」あるいは、「鍼のいい先生を知ってるから紹介するとか、マッサージのうまい先生を紹介する」とか。

問題解決策は、圧迫されている神経の情報伝達を内科的に回復させるか、狭くなっている脊髄の通路(脊柱管)を拡げ、脊髄の圧迫を解除してやるかである。整形外科医は外科的処を薦める。

自分の脊髄のMRI画像を見せられ、脊髄が哀れにも、よれよれの姿で脊柱管を走って姿を目の当たりにして、自由にゆっくりと走らせてやりたい、即ち手術を決行しようと思ったのである。

頸髄症闘病記の

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