STAX イヤスピーカー用メインアンプ 改造

2004年12月19日
2011年12月17日改

■改造のポイント
@負電源回路にフィルターチョークを入れてリプルを改善、正電源の整流に真空管を使用しリプル波形の改善
ANFBをはずして利得を改善
B初段管に直線性にすぐれている6DJ8(6922)を使用

STAX イヤスピーカーの音のすばらしさは、次元を越えている。
再生媒体の存在を忘れ正にそこから音が聞こえてくる感じがする。
特にオペラがすばらしい。オケの音の広がりと楽器の音の分離は抜群である。
その中から、声楽が生の声で浮かび上がってくる。
この雰囲気は、マルチウェイのスピーカーシステムでは再現できない。
声が強烈になるし、楽器と競演してしまう。弦と管も混然としてしまう。

自作派としては、このすばらしいSTAX イヤスピーカー用のアンプ作りは興味の沸くところ。
しかも真空管自作に向いているのである。それは、
@バイアス電圧が580V(DC)と高圧
A出力感度が100dB/100Vrms高電圧出力を要求
B出力がプッシュプル出力を要求
これは、プッシュプル式パワーアンプのドライバー段そのものである。
片振りの出力を要求する通常のスピーカーあるいはイヤホンでは、出力トランスを余儀なくされる。

設計の特徴

1,位相反転を入力トランスで完全PP
2,初段管に6DJ8を使用
3,出力管に5687を使用
4,出力段のB電圧は、±280Vを用意、出力コンデンサレスをねらったが、現在はSOLENの0.47μFを使用
5,残留雑音が大きいが聞き耳立てても聞こえない程度。
特性
項目 単位 R- channel L-channel
最大出力 Vrms 300 300
残留ノイズ波形
残留雑音 mVrms 35 35
SN比 dB -78.6 -78.6
入力感度 Vrms/100V 0.52 0.52
f特 20Hz dB -2.4 -2.3
2000Hz dB 0.0 0.0
20000Hz dB -0.7 -0.6
50000Hz dB -3.0 -3.0
以前にSTAXのSR-3を使っていた頃、12AT7-5687のコンビで使っていたアンプを増築。タムラの入力トランスTD-1を載せて増築した。
音は聞いた感じは改造後も変わらない。
それより、今度新調したSignature SR507がすばらしい。
今までのSR-404は内部のゴミよけのウレタンがぼろぼろ、音には影響がないと思うがメンテに出そう。
配線状況
・カップリングコンデンサにERO(青いコンデンサ)
・出力コンデンサにSOLEN
・入力アッテネーターは、岩崎通信のロータリーSWを使用して自作、などが見える
全景
・パワートランスはノグチのPMC-100M
・イヤスピーカーのコンセントはSTAXの営業部から送ってもらった。
増築の為に、フィルター用チョークトランンスが入力側に来てしまった。S/N比悪化の原因かもしれない。

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